コダックブルーの空
ニコンD40でCCD機の出す青色にハマって以来、いろいろな機種を試してみましたが、今回はオリンパスE300を取り上げます。2004年12月に発売された、800万画素フォーサーズサイズ(APSよりも撮像素子の面積が小さい)のCCDセンサー機です。かなり時間が経っていますが、現行のCMOSセンサーとは異なり、昔のフィルム写真のような描写を味わえます。
【デジタル一眼黎明期の独特のデザイン 感触もなかなか】
デジカメ黎明期らしい、従来のフィルムカメラのイメージとは大きく異なるデザインです。ペンタ部はありませんが、れっきとしたミラー付一眼です。シャッターを切る度にシャッター音とミラー昇降音が鳴りますが、フィルムカメラのモータードライブ音とよく似ています。なかなかカッコいい響きを堪能できるため、無意味に空シャッターを切ることも多いです。
手にした時の感触も前回取り上げたXpro2程ではありませんが、そこそこ剛性感があり、安っぽい感じはありません。
【伝説のコダックブルー?】
ネットで、「E-300」や「コダック製CCD」等のワードで検索すると、必ず、「コダックブルー」という言葉とともに、青空を撮った写真がヒットします。私もマイナス補正気味にし、いろいろなモードで空を撮ってみたのですが、必ず(私が求めるような)こってりした青色が出るわけではないようです。D40やペンタックスのK200D(②の作例も参照ください)の方が、濃厚な青色を出してくる確率は高いように思います。これらの2機種を試した後でE-300を使った私には、「コダックブルー」に対して特別なものを感じることはできませんでした。
コダックブルーとは、まだ他の機種が出そろっていない頃だからこそ出てきた言葉のような気がします。濃厚な青色を求めている方には、D40やK200Dの方が良いかもしれません。
とはいえ、決して本機がD40等の後塵を拝するわけではありません。作例③④のように、フィルムカメラで撮った写真に近い、しっとりとした雰囲気の画を撮ることができます。この2枚はSNSにも上げましたが、たくさんの人から「いいね」をいただきました。
【18年前の機種にして超音波式センサーダスト払落機能とピクセルマッピングを備える】
本機の最大の特徴はSSWF(スーパーソニックウェーブフィルター)によるセンサーダスト払落機能とピクセルマッピングを備えていることです。デジカメで撮影した画像を確認すると、シミのような黒い点(センサーダスト)が写り込み、大事な場面の写真だとショックを受けることがあります。SSWFはオリンパスが特許を持っており、他のメーカーではパナソニックのカメラにしか搭載されていないと言われています。他にセンサーシフト方式(超音波によるものではなく、撮像素子を機械的にぶるぶる震えさせて埃を払い落とす機能)もありますが、私の経験則上、SSWF搭載機の方がはるかに効果は大きく、安心して撮影することができます。
また、ピクセルマッピング機能も強みです。カメラを長く使っていると、撮像素子の画素の一部が欠け、撮影した画像の一部に白や赤の点が現われることがあります。ピクセルマッピングを使えば。これらを補正することができます。現行機の中でもこれを搭載せず、メーカーのサービスセンターに持ち込んでも有料対応になるケースもあるようなので、大変ありがたい機能と言えます。
現行機種でも上記機能を両方とも備えた物は多くありません。18年前発売の機種が機能的に現行機に勝る部分を持つというのは、当時の開発者の先見の明が感じられ面白い話です。
今回の作例の等倍画面のご覧になりたい方はこちらから(②以外はご確認いただけます)
須磨海岸 by taka-tanaka (ID:10863947) - 写真共有サイト:PHOTOHITO