ライカT 端正なデザインの写真機
今回取り上げるのはライカT。2014年、ライカが創業100年の節目で発表したミラーレスカメラです。
【手に取りたくなる端正なデザイン】
最大の特徴は自動車メーカーのアウディがデザインした、アルミ削り出しの美しいボディです。
私がTを手に入れた最大の動機もデザインにあり、ヤフオクで発売時の4分の1ぐらいの価格で出ていた物を落札してしまいました。デジタルカメラのデザインとしては、私の中ではトップ3に入ります。
ボディは薄く(33mm)、横幅と高さも134×69mmとコンパクトにまとまっていますが、手にするとズシリとした重さとひんやりとした金属の冷たさが感じられ、プラスチック外装のカメラでは得られない高級感を味わえます。
【発色は控え目で上品】
手持ちの他のライカ(X1、M8)と同様、落ち着いた発色で、地味な色の被写体だと予想外に映えて撮れることがあります。彩度を抑えた絵作りが影響しているのか、モノクロで撮っても落ち着いた品のある描写をします。近距離撮影時の立体感もなかなかのものです(これはレンズにもよると思いますが)。
【高感度には強くない】
X1同様、ISO800でノイズが出始めます。同じAPSサイズの撮像素子を持つ手持ちのカメラで比較すれば、富士のX-pro2は1250でも実用になります。手振補正機能もボディには電子式のもの(私の経験上、光学式のものよりも効果は薄い)しか備わっていないため、夜景撮影には不向きです。
【センサーダスト、その他気になったこと】
中古での購入でしたが、使用開始後ひと月程度でセンサーダストが付着しました。ブロワーで吹いてみましたが、除去しきれず。ダスト払落機能も付いていないため、仕方なく近所のカメラチェーン店に依頼したところ、「ライカは店頭では対応していない」、「こちらから修理業者に依頼をかけることはできるが、数万円かかるかもしれない」とのご回答・・・
がっかりしてライカジャパンのカスタマーセンターに連絡したところ、「お送りいただければ無料で対応できる」とのことでしたので、ほっとしました。が、国産機なら私が訪れたチェーン店でも店頭ですぐに対応してもらることがあります。
Tに限ったことではありませんが、何か不具合が出た場合の対応に関しては、国産機に比べると不安があります。
もう一点気になったのがストラップです。ストラップ取付け用金具の形が独特で、原則専用ストラップしか使えない仕様です(他のタイプのストラップを取り付け可能にできるラグも販売されていますが、5000円ぐらいします)。しかも付属のストラップはゴム製でホコリも付きやすい素材です。Tの端正なデザインにはそぐわない物だと思います。
【廉価のライカ】
Tはデザインを見て発作的に欲しくなり、ヤフオクで入手しましたが、約65000円でした。ライカ純正レンズは高額ですが、シグマから安いレンズも出ています。ノイズが載りやすいため暗所での撮影は勧められませんが、ライカらしい彩度を抑えた上品な描写は楽しめます。
「とにかくデザインの良いカメラがほしい」、「憧れのライカを安く楽しみたい」という方にはお勧めできます。
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※ご注意
Lマウント専用レンズにまでは手が回らず(何せ金欠なもの(笑))、上記作例はすべてマウントアダブター+フォクトレンダーのレンズ(35mmf2.5 4枚目のモノクロ写真は25mmf4使用)によるものです。専用レンズを使えたのなら、評価が変わる可能性はあります。